カラオケは好きでも、一応口実がある。
すでに書いているが、日本に帰ってから、彼女とskypeでやりとりをしていた。そして、はじめは気づかなかったが、ある日、遠くの方から、音楽が聞こえてくる。彼女に「あれ、なーに?」と聞くと、「カラオケ ダヨ」と返事が返ってくる。「ダレカ ノ タンジョウビ ダヨ」と、付け加えられる。
フィリピン人は、正直、カラオケが非常に好きだ。一週間のうちに、多ければ、2度ぐらい、どこからかカラオケをやっているらしい音がするのだ。
もちろん、いくらカラオケが好きでも、何かの口実がいる。それが、「ダレカノ タンジョウビ」なのだ。
しかも、カラオケのマシンが、レンタルされる。500ペソ(1000円ほど)で借りられるらしい。翌日の午前中ぐらいまで、マシンは借りることができるらしい。しかも、そのマシンは、どこからか、運んできてくれて、翌日、取りに来るらしい。
このカラオケだが、彼女の4番目のお兄さんが、非常に好きだ。歌は、決してうまくない。
大きな声をボリュームいっぱいに、独占的に歌うのだ。そして、彼女のファミリーの誰かが、誕生日だと、おねだりするように、彼女に借りていいかと、ご機嫌をうかがうようだ。
そして、誕生日と言えば、これは、彼女のマニラでの習慣で、こちらの田舎では、その風習がないらしいのだが、焼きそばを作る。それが「pancit canton」だ。そして、大量がそれが作られる。7-8キロぐらい作って、ご近所さんが、それを食べに来るのだ。しかも、ほとんどはタダで。
誕生日の招待客は、クラスメート
彼女の長女や次男の時の誕生日は大変だった。彼女が中学生のとき、クラスメートが20-30人ほどやってきて、さらに教員も来る。しかも、振る舞うのは、焼きソバだけではない。
最寄りの市場から、ケーキーを頼み、さらに、そのほかの料理も用意する。誕生日は、かなり大ごとなのだ。
招待したクラスメートは、何らかの200ペソ(400円程度)のプレゼントを持ってきてくれるそうだ。Tシャツや靴など、学校でつかう用品など、お愉しみなプレゼントがたくさんもらえるようだ。しかし、ご近所さんは、ただお裾分けを食べにくるだけなので、プレゼントの持ち込みはないということだ。
そのご近所さんが、その日の一食分を浮かせるために、結構な人数がくる。このお誕生日会は、彼女の家だけでなく、クラスメートが、みんなそれなりに、家庭の事情に合わせて、ごちそうを振る舞う。これは、なかなかたいへんなことだ。
このごちそうを振る舞うことと、ゲームを楽しんだり、カラオケをやったりする。
☆フィリピンは思いのほか家族が多い。
なぜ、家族が多いのか?
[su_note note_color=”#fffad9″ radius=”6″] 彼女から聞いて、笑ったことがある話だが、彼女の住む小さな田舎は、その地域のほとんどが親戚だというのだ。お父さんの兄弟が、たくさんいて。さらにそれぞれが子どもがたくさんいる。複数いるので、めったに会うことはないが、そこら中に親戚がいるという。
その理由は、宗教的な戒律とも無関係ではないようだ。フィリピンの大半の国民が、カトリック教徒だが、離婚が認められていない。そして、子どの中絶は許されない。そうしたことから、彼女のお父さんの死んだ前妻のファミリーが、複数いる。しかも、お父さん自体が、兄弟が多い。その結果として、ひとつの地域で、何らかの親戚が複数いることになる。
こうしたことは、フィリピンでは、普通のことなのだ。[/su_note]