「あなたはあなたの考えるとおりの存在である」(後出:B・スィートランド)という指摘は、成功法則本の中でも、定番のメッセージだ。だが、これが思いの外どころか、とても重要なのだ。
アール・ナイチンゲールは、そのものズバリのタイトルで「人間は自分が考えているような人間になる!!」(田中 孝顕訳 きこ書房)の本を出しているほどだ。
このメッセージを言う著者は、多数いる。
今回は、B・スィートランドに注目してみた。
彼の著書(「私はできる」黄金の法則/桑名一央訳 知的生き方文庫)の第2章 ”「ほしいものすべて」を手に入れる「人生の地図」”の中では、年収を3倍にした営業マンの話を例に上げている。
A氏は、自分の運命を悲観しているタイプだったが、同僚のB氏の高い営業実績を思い、自分とB氏との違いは、何かについて考えるようになった。
そのキッカケは、朝食のために下町のレストランで、B氏と見込み客が豪華な食事をしている姿を見かけた時だった。自分のテーブルには、サンドイッチ。A氏とB氏は、同じ学校を出ており、ともに大学へは、いっていない。
だが、彼は大口の注文をとることのできるトップセールスマンだ。自分はと言えば、売上は少なく、歩合の販売手数料も僅かだった。
だけに、A氏とB氏の違いを、嫌でも考えざるを得なかった。
そして、いろいろ考えた結果。
A氏は、日頃から、自分は「大したことのできない自己イメージを持っている」(「私はできる」黄金の法則/桑名一央訳 知的生き方文庫)ということに気づかされた。
一方の自分とは対極のB氏は、「自分をつねに、大きくて割のよい注文を取る、第一級のセールスマンと考えている」(「私はできる」黄金の法則/桑名一央訳 知的生き方文庫)というに気づかされた。
そこで、A氏は、心を入れ替え、新しい自分づくりに取り組んだ。
「自分を特別優秀なセールスマンだと思うようにした。すると、たちまち売り上げが増えはじめ、一年とたたないうちに収入が三倍になった。」(「私はできる」黄金の法則/桑名一央訳 知的生き方文庫)とある。
ジェフ・ケラーは著作の「いつもうまくいく人の成功法則」(弓場隆/訳 ソフトバンククリエイティブ )の中で、
自己イメージの向上とまさに相互にリンクする心の姿勢について、
「たとえ最悪な状況下でも、あなたには、心の姿勢を選ぶ力がある。」と述べている。
現在の何も変わらない。
変わることのできない低い自己イメージのままでいるか。
それとも、成功しているという高見にある自己イメージを持つかどうか。それは、誰の制約も受けることはない。
すべて自分自身で決めることだ。
仮に何も決断しなくても、現在のままの自分を続けることになる。その結果、どちらにせよ「自分はこうだ」という姿を、いづれ実現していくことになるのだ。