彼女の家で、ささやかな裏庭養豚を行っている
10日ほど前になるだろうか。9月初旬のことだ。今経済的に厳しい状況の私にや彼女にとって、ネガティブな情報が、彼女からなされた。その内容は、彼女は、生活のために豚を家畜にしている。というより、彼女の家周辺は、固より田舎、周囲が農家なので、豚を飼うというのは、一般的なことなのだ。いわゆる裏庭養豚が普通に行われている。豚だけでなく、牛もだ。
もちろん、彼女が豚の世話をするわけではないが。その豚が、3匹のうち、2匹が病気で死んだという。豚は3番目のまじめなお兄さんが世話をしているが、1-2か月前に1匹、1600ペソ弱で、生後間もない子ブタを買ったものだ。
飼育していた豚が、コレラの疑いがあったが飼育の難しさで死んだ
豚が死んだことに絡んで「豚コレラが流行っているらしいね」という私の質問に、私の日本語が十分理解できていない部分もあり、聞き流すような返事をしていた。
しかし、彼女の豚の死因は、豚コレラではなかったらしい。生後間もない単に飼育の難しさで死んだという。生まれたばかりの子豚は飼育がむずかしいのだ。
実は、当初、豚コレラの疑いがあったので、彼女の態度がはっきりしなかったが。とりあえず、コレラとは無縁だったらしい。
実は、フィリピンでは、コレラが流行し始めている。いわゆる豚(とん)コレラではなく、アフリカ豚(とん)コレラらしいのだ。名前の通り、アフリカを中心に発症し、中国などでも流行しているようだ。豚コレラととは別のタイプのウィルスで、感染力が強く、ダニを媒介として感染したり、感染した豚と接触しているとうつったりする。
アフリカ豚コレラには、治療するための薬の開発も、ワクチンもまだないようで、致死率が高い。フィリピンでは、8月下旬ぐらいから、発症し始めたらしい。
まにら新聞によれば、
8月27日
アフリカ豚コレラ発生か ブラカン州などで大量死
「ブラカン州などでアフリカ豚コレラが発生した疑い強まる。規制を発動する州も」
http://www.manila-shimbun.com/category/society/news246661.html
とある。
そして、日本でも、4月前後の段階で、
このアフリカ豚コレラが、発症の確認がなされている。
朝日新聞デジタルの情報では、
2019年4月2日12時00分
アフリカ豚コレラ、国内で初確認 感染力あるウイルス
感染力のあるアフリカ豚コレラのウイルスが確認されたソーセージ(農林水産省提供)
https://www.asahi.com/articles/ASM42362SM42ULFA003.html
中国から持ち込まれたソーセージにアフリカ豚コレラのウィルスが確認されたという内容だ。
日本の場合は、貧しいアジアと違って、検疫体制がしっかりしているので、アジアの諸地域のような大きな被害にはなりにくいだろうが。旅行者などの衣服にダニがついて、知らずにそのまままま拡散すれば、
日本でも深刻な被害が出ないとは言えない。
アフリカ豚コレラについて
コレラといっても、豚やイノシシが感染するウィルスであり、今の段階では、人間に感染する恐れはないという。
以下、農林省のアナウンスで、アフリカ豚コレラについての引用をさせていただく。
【アフリカ豚コレラについて】
農林水産省
更新日:令和元年9月13日
担当:消費・安全局動物衛生課
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/asf.html
アフリカ豚コレラは、アフリカ豚コレラウイルスが豚やいのししに感染する伝染病であり、発熱や全身の出血性病変を特徴とする致死率の高い伝染病です。
本病は、ダニが媒介することや、感染畜等との直接的な接触により感染が拡大します。
本病に有効なワクチンや治療法はなく、 発生した場合の畜産業界への影響が甚大であることから、我が国の家畜伝染病予防法において「家畜伝染病」に指定され、患畜・疑似患畜の速やかな届出とと殺が義務付けられています。
我が国は、これまで本病の発生が確認されておらず、本病の清浄国ですが、アフリカでは常在的に、ロシア及びその周辺諸国でも発生が確認されているため、今後とも、海外からの侵入に対する警戒を怠ることなく、本病の発生予防に努めることが重要です。
なお、アフリカ豚コレラは豚、いのししの病気であり、人に感染することはありません。
どの道、食べられてしまう豚の運命は悲しい
フィリピンでは、慶事などがある場合には、豚を丸焼きにして宴会で大勢の人を招き食することが慣習になっている。彼女の家でも、豚を飼っていたのは、別名:裏庭養豚と呼ぶらしいが、
やはり、誕生日などに、食することを目的にしたり、あるいは投資の意味でも豚を飼う。
経済的に苦しくなれば、豚を売って、金に生活費に充てるということもある。
彼女の家で、豚を飼い始めたのは、4-5年くらい前で、世話は大変なようだ。メス豚が、子ブタを数匹生むが、なかなか育てるのはデリケートらしい。また、ある程度、育ったブタを売りに出すときは、私も豚が可哀そうになる。彼女のとこにいても、早晩、食べられてしまうし、売られても同じだ。
彼女から、誰かの誕生日や慶事に食べたと聞くと、なぜか、哀れで申し訳ない気分になる。