フィリピン・パブ☆同伴 ファッション時計と奢り #09

天王洲 isle夜景 フィリピン・パブ

私たちは、ヴィーナスフォートの施設内をあちこち歩き回った。、
様々な店のファッションアイテムなどで飾られたウィンドーを横目に見ながら、
いま、この空間を楽しんだ。

彼女は、何を買ってくれとは言わない。ただ店を見るだけだ。

よく彼女の店で会話したときに、面白いと思ったのは、
彼女はというより彼女たち全般なのだが、
ウィンドウショッピングを「ミル、ミル」と表現していたことだ。

そんな中で、
いま思うと恥ずかしい話がある。その話を披歴しよう。

ヴィーナスフォート内の舗道には、屋根付きの小さなワゴンが立ち並んでおり、
その中には、時計を売っていたものもある。その時計は、ファッション時計で、
見た目のおしゃれ感は秀でたものがあるがすぐに壊れる。
いわゆる1,000円の安物の時計だ。

それを見た私は、かなり形状がオシャレな時計があったので、
彼女に買った。もちろん彼女は、喜んでくれた。感謝も述べる。

貧しい国からきた女性なので、1000円の時計でも、
喜ぶと思った。そこに、思い違いのひどい私の奢りがあった。

どこかに貧しい国に対する優越感を持つ意識があったのだと
それを恥ずかしく思う。

後に、彼女には、ある意味、罪滅ぼしで4万円弱のGucciの時計を、
おねだりされ買ったこともある。しかし、おねだりは、これが最初で最後だった。
基本的には、あれ買って、これ買ってはない女性だった。

その時に、つくづく1000円時計を買ったときの私の思い上がりを思い知らされた。

ここで一つ思い出した。
店外デートは、厳しいという話を前回したが。
途中、店側から、彼女に電話が入る。

ここでも、店側の注意、監視の振る舞いがあるのだ。
彼女は「いま、どこで何をしている」というような簡単な報告をしていた。

ヴィーナスフォートを歩きながら、
彼女は数台の展示されていたワゴン車に注目した。

「モットガンバッテ」あんな車が欲しいという。

フィリピンの田舎に帰ったら、お米のビジネスをしているので、
そこで使う業務車が欲しいということらしい。彼女の言うことが、
その時は、あまりピンと来なかった。田舎には、小さな車があるとも言っていた。

「えー、案外、リッチなんじゃないか」と、ふと思いが働く。

実際は、そうではなかった。

少し休もうということになり、
カフェで、コーヒーでも飲むことになった。その店では、
なぜかカレーパンを売っており、メニューの写真がよく撮れていたこともあり、
思わず注文をした。彼女にも勧めるが。
食べないという。その時は、そういうものが嫌いなのかと思っていたが。
これもやや違っていた。

店には、空腹状態で入らないといけないらしい。

これは、店の営業戦略でもあるようだ。

女性たちが空腹であるのは、客に食べ物の注文を取りやすいからだ。
客にフードの注文を取らせ、自分もその時に、食べるということのようだ。

今となっては、
記憶がごちゃごちゃだが、その日、店の入店まで、まだ時間があったので、
店の近くの商店街の居酒屋で、入店までの時間待ちした。

その時も、彼女は律儀に食べない。ビールを少し飲むだけだった。

30分ほど、その居酒屋で過ごし、
店にともに入店した。これがいわゆる「同伴」だ。

もしモテ男になりたいなら、浅ましい振る舞いをしてはいけない。
何かしら密度の濃い関係を望んだりしてもいけない。

私は、いつもそう信じている。

★前の記事に戻る | ★続きの記事を読む

フィリピン・パブ☆運命の出会いにはまる東京物語篇index

タイトルとURLをコピーしました