「ザ・シークレット」(ロンダ・バンーン著 山川紘矢+亜希子・佐野美代子[訳] 角川書店)
に登場するボブ・プロクター氏は、とても渋く、印象的だ。
そのボブ氏は、機会あるごとに、願望の書き出しには、次の文言を入れるよう勧めている。
「あなたは本当は何がほしいのですか。座って一枚の紙に書いてみま
しょう。現在形で書いてください。『私は今現在、余りにも
幸せで感謝していますが』と書き出してください。 」
( 「ザ・シークレット」ロンダ・バンーン著 山川紘矢+亜希子・佐野美代子[訳] 角川書店 より引用)
と述べ、
ボブ氏は、この『私は今現在、余りにも幸せで感謝していますが』
という文言を願望の書き出しの前に必ず書くよう勧めているのだ。
私は、ちょっとした儀式めいていると思いつつも、どこかで無視できないでいた。
このことは、彼の著作であるボブ・プロクター氏の著作
「宇宙を味方にしてお金に愛される法則」
(ボブ・プロクター[著] 岩元貴久[監訳] きこ書房 p111)
にも、多少の表現の違いがあるが同じ趣旨のことを言っている。
個人的に私は、そのことにとても興味と関心を強く抱いていた。
今日、その文言を付け足すことの意味と深みを充分に知ることができた。都合上、悉くを説明しないので、以下の流れの中で、汲み取っていただきたい。
前出、「ザ・シークレット」の中で、ジョー・ビタリー博士の言葉は注目に値する。
「自分が既に持っているものに対して感謝し始めると更に良いものを引 き寄せます。もっと感謝したくなるような更に良いものがやって
くるのです。」
(「ザ・シークレット」:p127より)
という。
これは、先のボブ・プロクター氏の願望の書き出しのリストに添える
『私は今現在、余りにも幸せで感謝していますが』
というのと同じことを言っている。なぜ、今持っているものに感謝の気持ちを持つ必要があるのか。それを解くメッセージが著者のロンダ・バーン氏のメッセージの中にあるのだ。まず、
「感謝の気持ちがなければ自分が放射する思考や感情がマイナスを示すからです。」 (「ザ・シークレット」:前出より引用)
という示唆がある。この示唆をかなり噛み砕いて具体的に説明する著者は、次のように言う。
「新車が欲しいとき、今乗っている車に感謝しなければ、
あなたの放射する波動はマイナスになります。」
(「ザ・シークレット」:p128より)
例えば、新車が欲しいとき、今乗っている車に飽きが来る。あるいは、
車体が古臭く、ガタが目立つ。どうにも、修繕費ばかりがかさんで、感謝どころじゃない。
早く新車が乗りたいなどということは、今乗っている車に、不満がタラタラにあるということだ。時には、大事な場面で、タイヤがパンクするなど、腹立たしくもなったりする。維持費もかさむ。まもなく車検も迫っているなど…。
こうした思いの時に、かつて愛車だったはずの車が、お金のかかりそうな、ちょっとしたアクシデントに巻き込まれて、以前ならとても大切にしていた車のタイヤを「クソッ!」とばかり足蹴りにしたりもする。
ひょっとしたら「このポンコツ車が…」というような不満をぶつけたりしているかもしれないといことだ。
不平、不満は、引き寄せの法則に従えば、
そのままのものを、つまりカタチを変えて、さらに不平、不満を招くようなことを引き寄せるという事に繋がる。
だから、新車を望むその時点で、仮にボロで、ポンコツだろうが、
すでに持っている車に対して、ネガティブな感情を持ってはいけないばかりか、むしろ感謝の気持ちで、今、この瞬間を生きなくてはいけないのだ。
いまこの瞬間を感謝の気持ちで溢れていれば、
引き寄せの法則は、同じように、さらにカタチを変えて、溢れるほどの感謝の気持ちの相当する以上のものを、宇宙から引き寄せてくれるのだ。
こうした意味を充分に把握して臨んだとき、ボブ・プロクター氏のメッセージは、なるほどと、先に感謝の姿勢を示してしまうことの重要性が理解できるだろう。