「マスターの教え」(ジョン・マクドナルド著 山川紘矢・亜希子[訳] 飛鳥新社)の中で、
ずっと心にひっかかっていた”言葉”と”章”がある。
まず、”ひっかかる言葉”から言うと、
それは、「無抵抗」という言葉だ。
この言葉が出てくるのは、その前の第14章 ≪体に栄養を与える言葉≫の中で、
”体に栄養を与える言葉”とされる肯定的な言葉のリストの一部として、
”集中力、博愛、平和、無抵抗、平静、公平、…、…、…、”
など、
つまり、54の言葉をあげているうちの、4番目。
ほぼ先頭の方に出てくる。もちろん、言葉の序列は、ランダムなものではなく、
それなりに十分な意味があってのことであろうと思った。
だけに、
私の最初の印象は、”ん?”だった。
なぜこの言葉をそんなに重視するのかを。
よく分からなかった。
そして、
”ずっと心にひっかかっていた”という意味での、
次は、
その”心にひっかかっていた章”についての話だが。
いま述べた「無抵抗」の言葉と大いに関連していた。
著者が「無抵抗」の言葉を、
”体に栄養を与える言葉”のリストのほぼ先頭に位置づけていたことと
関連していることを、大いに感じさせる”章”が
心にひっかかっていた”章”として見出すことができる。
その心にひっかかっていた章とは、
次の章で、
≪第15章 何かに抵抗すると自分自身が弱くなってしまう≫が、
無抵抗が「なぜ?」大切で、
第14章で、かなり重視していた”章”なのかの理由になっているようだ。
直接、マスターは、「無抵抗」の話だとは言っていないが、
そう関連づけて理解することは容易だ。
まず、この”第15章”の前段として、
「あなたは目標を設定しました。それは種をまいたことなのです。」
(前出「マスターの教え」より引用)
と述べる。
そのことは、
目標が実現するまでの過程を植物が、
種から芽を出すことになぞらえているが。
「あなたの目的が達成されるのをこばむものは何もありません。
宇宙の法則を無効にできるものは、何もないからです。」
(前出「マスターの教え」より引用)
とあり、マスターは、明確な目標を持つ大切さについて「お済付」をしている。
その上で、この章のハイライトは、次のことだ。
「あなたは抵抗に遭遇するでしょうか?
はい、必ず抵抗にあいます。」
(前出「マスターの教え」より引用)
と、きつい教えを、いきなり示唆する。
それは、なぜなのかをも伝えている。まとめると、
次のようになる。
1.あなたが行動するときは、同時に抵抗を創り出す。
2.行動が作用するならば、そのとき反作用も必要となる。
3.抵抗を生み出さなければ、行動そのものが成立しない
とすることができる。
いづれも同じことを表現を変えて述べている。
さらに、
メッセージの中から、ポイントになる部分を、
抽出してみた。
マスターは、その抵抗について、
飛行機の例を挙げている。
「飛行機が空を飛べるのも、空気に抵抗があるからです。
(空気の)抵抗がなければ空を飛ぶことができません。」
(前出「マスターの教え」より引用)
さらに、水や摩擦がなければ、
「魚は泳げず、人は歩くことができません。」
(前出「マスターの教え」より引用)
と、例を持ち出し、
目標の実現・達成に向かう際のその抵抗は、それを抜きにしてはあり得ないものだとしている。
このように述べた上で、
「次の真理を忘れないでください。あなたが、誰かに、あるいは何かに抵抗すること
――それが、批判、羨望、嫉妬、にくしみ等、思いであれ、発言や行動であれ――
あなたは必ずその相手を助け、しかもそれに比例して自分を弱めてしまいます。」
(前出「マスターの教え」より引用)
と、重要な警告を与えている。
このメッセージの”抵抗”を、次のように変えてみた。
「次の真理を忘れないでください。
あなたが、誰かを批判したり、嫉妬したり、憎んだりすると、
あなたは必ずその(嫌いな)相手を助けるだけでなく、
むしろあなた自身をかえって弱めてしまいます。」という言い方に直すことができる。
前述した引用で言えば、
”思いであれ、発言や行動であれ”をすれば、そのそれを実行しているのは、
何より、自分自身の心であり、そのことは、(批判、羨望、嫉妬、にくしみ等、思いであれ、発言や行動であれ)は、相手に向けられるより、自分自身に向けられていることなのだということに等しい。
というように、
「マスターの教え」に、「無抵抗」という言葉に秘めて、その示唆がある。
このことについては、
ジョセフ・マーフィー博士は、随所に、そうした感情は、抱くべきでないと多くの著作の中で、
都度、示唆している。
「貧しい人は通常嫉妬深く、人を憎みやすいものです。このような否定的な感情が
ますます収入の道をはばむことになります。」
(「あなたもお金持ちになれる」ジョセフ・マーフィー著
和田次郎[訳] 産業能率大学出版部刊)
と、嫉妬や憎しみなどの抵抗、否定的な感情の反作用を述べ、
そうした感情に振り回されないよう戒めている。
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