【フィリピン訪問記】不揃いな聖歌隊 #19-0028

不揃いな聖歌隊 クリスマス

ある日、突然現れた

2度目の訪比となった 2007年12月13日、彼女の家に来て、何日かした頃のこと。何やら誰かが歌っている。歌っているというより、合唱しているのだ。決してレベルの高い歌ではなく、そこそこ声を張り上げて歌っているようだ。彼女の家の向こうで聞こえる。しばらくすると、徐々にだが、こちらに近づいてくるのが分かる。

合唱は、これもあまりうまくないギターのリードでなされている。歌はフィリピンの言葉なので、タガログ語なのか、それともここPanagasinanの田舎の言葉で歌っているのかは、わからない。「歌うたう人が。こっちに来ているね。」と彼女に言うと、少し迷惑そうな、表情を浮かべている。

ここカトリックの国のクリスマスには、こういうイベントがあるらしい。すべての地域であるかどうかは分からない。少なくとも、この田舎だけには、あるイベントのようだ。要は聖歌隊なのだ。クリスマスの期間までのイベントとして、地元の有志達が集まって、特に小さな子供を中心に、合唱団が来るのだ。

この合唱団は、毎晩くる。ほぼ決まった時間にやってきて、玄関先で、多少の寄付を募るようだ。彼女も5ペソぐらい渡して、次に行ってもらうらしい。クリスマス前の一週間か、10日ぐらいの期間の毎日のことなので、小銭でも、毎日となると面倒になる。

歌っている人たちは、心付けをもらうまで頑張る。一曲歌って、心付けが期待できないと、移動するようだ。必ずしも成果があるとは言えないようだ。そして聖歌隊といっても、服装はまちまちで。来られた側は、あまり来てほしくもないものだ。こうして集めたお金は、後で、みんなで小分けするらしい。

クリスマスが待ち遠しい

私が、2度目に来たときは、クリスマスを体験したかったからだ。日本では、若い人の間では、恋人と過ごすためにあるようなもので、小学校などの低学年の頃には、学校によっては、ちょっとしたクリスマス会と名乗るような催しがあったりもするかもしれない。日本では、結構盛り上がっている。

その盛り上がりが、カトリックの本場の国ではどうなのかなと、興味があったのだ。ところが、案外、当日までは、そう盛り上がりのあるようなことはない。静かなものだ。その中で、唯一、クリスマスを祝うという意味では、前述した聖歌隊が回ってくる、そのあたりは日本とは大きく異なるようだ。

彼女や子どもたちと隣町に買い物に行っても、街中がクリスマスの飾りつけで、賑わっているかと思うと、そんなこともない。平日と変わらない。私としては、正直、「なんだ…」という落胆の気持ちあった。

彼女の家でテレビをつけていても、これと言って、クリスマス企画みたいなこともなく、クリスマスソングも聞いた記憶がない。いつもとそんなに変わらない。その意味では、pasayの安ホテルから見たEDSAの通りの分離帯を飾る電飾の羅列は、そこそこ美しかった。
この時期、ほかの地域を見たわけではないので、他がどうなのかは分からない。

街の飾りつけは美しい

都市部は、クリスマスを待つそんな雰囲気が少しはあるようだが。ある意味日本の方が、電飾の飾りなどで、街の盛り上げ方が凄いように感じた。確かにフィリピンでは、9月から、早々とクリスマス気分になる。それは、ショッピング・モールなどの展示が、一部でそんな飾りつけをしているだけで、私が知る限りでは、基本的には、控え目だ。

私としては、もう少し本場ならではの賑わいを期待していただけに、いつ盛り上がるのかとただ一人で、心待ちにしていた。つまり、マニラから夜のPangasinanまでの国道の道中で見た夜の底を彩る教会の明かりの美しい風景が、もっとあるのではないかと。

残念ながら、基本的には、夜は危ないからと出歩くとはない。彼女の家にずっといるので、そうした風景を見る機会をついになくしていた。唯一、子どもたちを楽しませたいという彼女の計らいで彼女の家のエントランスにクリスマスツリーの電飾があるだけだ。

仕方がないクリスマスまで、何が起きるか待とう。あの安っぽい聖歌隊だけは、さっきも律義に来ている。不揃いなコーラスだったが。

☆フィリピンお役立ち情報・ひとくちメモ

クリスマスが近づいている頃の飛行機代は、かなり高くなる?

[su_note note_color=”#fffad9″ radius=”6″] フィリピン のようにカトリックの国では、15日以降の飛行機の予約は、早めにしないとダメで、航空運賃もほぼ二倍になるので、注意が必要だ。私は、2007年12月13日から27日の滞在で、予約を取れたが、運賃も、それ以前より15パーセントほど高くなっていた。

フィリピン航空での話だが、この時の記憶では、6万円台を支払った。プラス、空港使用料があるので、結構な出費になる。これが、さらに一日二日、後ろにズラすと、エコノミーでも大台は覚悟しなければならない。

予定や事情が許すなら、13日以前からの滞在で予約を入れた方が、得策だろう。 [/su_note]

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