彼女と出会った翌日、再び、私は彼女の居る店に出向いた。
指名して、彼女を喜ばせたいと思ったのだ。こうした感情が、
結果、私の生活を苦しくする。
行けば、大1枚以上か小5枚が必ず消える。
フリーだった私は、経済的には、パブなど行っている場合ではなかったが。
ただその時には、結果については考えていない。
指名料を付けて、ただ喜ばせようと思うだけだった。
そして、それは私自身の愚かしさのただの始まりに過ぎないとしても。
それが分かっていても、彼女の助けになりたいと思う自分がいた。
こんなことが数日続いて、
さすがに、経済的なことを考える。
「ヤバい!」「ほんとうに、ヤバい!」
言うまでもないことだ。「ヤバい」に決まっている。
店に出向く感覚が、やや空くようになる。
すると、
数日たったころ、彼女から営業の電話がくる。
「ナンデ、コナイ?」
「お金ないから、いけないよ。」
と返すのがやっとだった。
店のオーナーから、あれこれ売上のことで、
あれこれ責められているのだろうということは、何となく感じていた。
そう思と、出向かざるをえなくなる。そんな繰り返しで。
何度なく、店に通ううちに、
私自身の経済的な苦しさとともに比例して、店の経営についても、
想像もつくようになった。
「ヨル、ミーティングアル。シャチョウサン(店のオーナー)、オコル」
客がなく、彼女たちがウエィティングの席で、寄り添っている姿を、
よく目にして、その厳しいさもなんとなく分かっていた。
この場合の夜とは、店が1時で終わり、その後、清掃。
それが済んで、オーナーが、店に来ることがあるらしい。
そこで、あれこれ売り上げについて、帰国をチラつかされ、
あれこれと脅されたらしい。
清掃当番でないときは、
客と、近くの焼き肉屋にいける者もいる。
私も彼女と焼き肉屋に何度となく乞われて行った。
ミーティングが終わって、客との付き合いもあれば、
宿舎に着くころは、朝の3時近くになるらしい。