フィリピン・パブ☆さよならパーティに呼び出されるシショウ #21

フィリピン・パブ

(前回の記事を受けて)
なので…。

1カ月未満で、店側から契約を解除された場合は、
彼女らに、借金返済の重圧がのし掛かる。
最低でも3カ月、できれば、半年は日本で稼ぎたいと思うのは、人情だろう。

このパーティは、案外、彼女らにとっておいしいはずだ。
指名をもらっていた複数の客たちから、相応にチップをもらえるからだ。
見ていると、酔客が、ステージで歌っているピナに近づいて、
大きく開いた胸元に、金を押し込んでいる者たちもいる。
かなり気前のいい客からもらっている場合もあるので、
たった数時間で、普段の1カ月分近くにはなることもあるだろう。

半年働いた彼女たちも、いづれビザの関係で、当然、帰国する。

その帰国する1-2名前後の女性のために、
「サヨナラパーティ」が店の都合で開かれれる。店にとっても、
客寄せの大きなイベントになるからだ。

そのパーティは、完全にイベント化されており、そのために、多くの「カモな客」が、
電話が鳴るのを怯えながらも動員される。

特に、この日は、主役の帰国するピナは、大変だ。
いつも以上の情熱で、
これまで、指名してくれた客に、「サヨナラアルカラ キテ、キテ」コールをするようだ。
他の女性たちも、当然、店側から、自分の常連を呼べと煽られる。

もっと言えば、自分の「サヨナラパーティ」のときも、
もっと盛大にしてほしいという願いも半分あって応援するのだろう。

自分の客を積極的に呼ぶ。結果、
「カモな客」は、こんなに居たのかと、店も久しぶりに「カモだらけ」で満席になる。

人気のピナの「サヨナラパーティ」になると、盛り上がり過ぎて、
しばらく店に入れないこともある。かつて私とシショウは、店の入口で待った「カモ」でもある。

店に入ると、いつもより飾り付けが凄い。
前の日の店の終わりからと当日に、飾り付けしたのだろう。
壁や天井などからたくさんの飾り物や風船などで溢れている。
文字通り、パーティなのだ。

この日に限っては、帰国するピナは、最高の主役で、白か赤のロングドレスに身を包み、
とても華やかだ。髪をセットし、化粧もやや濃いめだ。いつもよりずっときれいに感じる。
カラオケタイムには、何度もステージに立ち、唄を歌う。仲間たちも、一緒に歌い盛り上げる。
オンステージ状態だ。最後のステージでは、涙ながらに歌う。周りのピナたちが、
主役たちを取り囲んで、慰める。そんな光景は、何度も見た。
私自身の懐も、厳しく。別な意味で、泣きたいのは、私も同じだった。

主役のピナたちは、夜の9時過ぎか10時ぐらいだろうか。
迎えの男たちが数名が来て、慌ただしく消える。一度は、
宿舎に立ち寄るのだろうか。今夜中か、明け方には、成田へ向かうようだ。
ビザが切れるギリギリまで、日本にいる。何とも際どいなと思わされる。

ところで、
このブログのストーリーに、話を戻すと、

ある日、シショウとマリーが、何となく心に、お互いの心のズレを感じ始めていたころ、
そのマリーにも、「サヨナラパーティ」が行われることになった。
当然、私も、シショウも、最良の「カモ」として来ることを、約束させられた。

それを象徴するように、前述したような、お決まりなことは、いつものように展開され、
進行していったが、シショウとの間に特別なドラマはなかった。
シショウは、シショウで、マリーと、多少の会話をしてたようだが。
そのまま、現実主義者の彼女は、フィリピンへ帰国した。その後、リターンはなく、
再び、店で会うことは、なかった。

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