今回も自己イメージに関連するものを書こうと思って、
ある程度の方針を決めていたが、それを一旦、止めて、意味のあるわき道をあえて通ることにした。
ジェフ・ケラー氏の著作「いつもうまくいく人の成功法則」(ジェフ・ケラー[著] 弓場 隆[訳] ソフトバンク文庫)を手にした時に、
ふと、この本の序文の内容が濃く、当ブログでとりあげた自己イメージと、どこかで大きく重なり繋がっているような何かを感じた。
そこで、 その何かを記述したいと思った。
ジェフ・ケラー氏のちょっと長めの序文に何かしら成功のための公式が縮図として読み取れたので、そこにフォーカスしてみようと思ったのだ。
自己イメージとの関連という意味では、ジェフ氏は、
自尊心を高めるというテーマや項目を設け、私たち自身の心のあり方の大切さを
かなり強調し、いくつかの著作の中でも述べている、
そういう著者だ。
それだけでも自己イメージとのテーマともまったく無関係ではない人なのだ。
ジェフ氏の本文から、得るものも、とても多大であるが、
「いつもうまくいく人の成功法則」の序文には、
単なる序文に留まらないジェフ氏の思いが、かなり凝縮され綴られているように感じた。
序文だけで、なんと9ページ前後もある。しかも、
「はじめに」の数ページまでが加えられており、+4ページほどが付記がなされている。
それだけでも、ジェフ氏の意気込みを感じないだろうか。
この序文のタイトルは、
≪心の姿勢を変えれば、人生が変わる≫だ。
このタイトルにこそ、ジェフ氏の基本的な思想がよく表れている。
序文には、副題がいくつかある。
◎みじめだった私の人生
◎何かが変わらなければいけない
◎私の人生を変えたもの
◎新しい仕事を選ぶという決断
の順だ。
副題の一番目に、
”みじめだった私の人生”とあるが、その文の冒頭より、
ジェフ氏の簡単な履歴が紹介されている。
「1980年、私はロースクール(法科大学院)を卒業し、これから弁護士として
一生働き続けようとしていた。何と言っても、弁護士の仕事は、
十代の初めのころからずっとあこがれていたのだ。」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
と、
そして自身も認めるように、
すべてが順調で、計画どおりの人生を好スタートする。
「ニューヨークで弁護士として働く資格を得た。私生活も上り調子で、1981年の初め、
ロースクールのクラスメートだったドローレスと結婚した。まさに順風満帆だった。」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
と、述べ、”望みどおり”の人生を進み、しかも収入の面でも高収入が保証され約束されていたという。だが、ジェフ氏は、
「自分がまったく幸せでない」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
ことに気づくことになる。
副題の1番目が、”みじめだった私の人生”とあるように、彼は、恵まれた状態にありながら、
ジェフ氏は、自身を”みじめだと”とそのとき、思ったのだ。
感じないだろうか。
ジェフ氏は、少なくも、誰もが一見羨むような素晴らしい人生の一面において、
自身の自己イメージを、ネガティブに捉え出し「みじめな自分」に置き換え、
思い描いてしまったのだ。
その理由は、
「私にとって弁護士の仕事はいやな面がすごく多く、
自分の人生を味気なくしているように感じた。」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
のだと、自身が告白しているが。
そう思い始めたジェフ氏は、これを機に、自身の仕事への疑問と不満が募ったようだ。
私たちの多くは、例外はあるだろうが。ここまで恵まれ優れた人生でなくても、
私たち自身も含めて、程度の差はあれ、似たり寄ったりの何らかの挫折を味わう。
人生に苦悶し迷走することはよくある話だ。
ジェフ氏は、彼なりの挫折を体験したということだ。
上述した副題は、ジェフ氏の変化をよく表している。
◎何かが変わらなければいけない
◎私の人生を変えたもの
の副題は、キーワードとして、「変化」がある。
「変化を希求する」原因があり、結果「変化」をもたらした。
ジェフ氏は、魂のレベルにおいて、現在、おかれている状況と
本源的な自己イメージに弁護士の仕事に対し違和感を感じていたのだ。
現象として、
弁護士という仕事面では、
「フラストレーションがたまり、ひどく落ち込んだ。」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
と語る。
「私は精神的に死んでいた」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
とまで、書いている。自己イメージは、悪化の頂点に達していたのだろう。
ある時、すでに妻が寝静まった眠れない夜、
ただ無暗にリモコンでもてあそぶようにチャンネルを変えていた。
偶然、深夜のテレビショッピングの通販番組を見たとき、
自己啓発系の「心の貯金箱」という学習教材の紹介を知ったという。
それは、
「人生で成し遂げるすべてのことは潜在意識の信念に基づいている」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
という内容を基本コンセプトした教材で、
ジェフ氏は、なぜか、その教材に興味を持ち、引き寄せられた。
「わらを掴む思いだったので、それを試してみることにした。」
(前出「いつもうまくいく人の成功法則」の序文より引用)
というように、
衝動的に買ってしまったという。その後、この自己啓発の世界に興味を持ち、
高収入を見込めた弁護士の仕事を、徐々に少なくし、並行して自ら猛勉強したのだ。
収入は激減し、それと引換えに、ナポレオン・ヒル、オグ・マンディーノ、ノーマン・ビンセント等のたくさんの自己啓発の著作に触れたという。
その結果、セミナーまで主催し開くようになった。当初は、わずかな報酬にも挫けず、
自分の道と決め。ついには、
現在のように、アメリカを代表するセミナー講師となり、著述家になったという。
副題にある最後の
◎新しい仕事を選ぶという決断
は、「選択」というキーワードを私たちに示している。
自身の深い部分で違和感を持った弁護士を捨て、自らの「魂が選んだ」世界を、
明確な目標にして、自尊心を高め、回復させ、自己イメージを理想の姿に変えながら、
人生をシフトすることに成功したのだ。
私が、数日前に、自己イメージに拘りを抱いた理由があるとして、それをテーマにしてきたが、
何となくではあっても、皆さんは、感じていただけただろうか。
ジェフ氏は、「魂の声」を感じながら、望むように自己イメージを変えたのだ。
序文のタイトル≪心の姿勢を変えれば、人生が変わる≫は、
≪自己イメージを変えれば、人生が変わる≫と置き換えても、良いようだ。
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