夢見心地☆ユダヤ人大富豪の教え ★20#0360

フィリピン-ピリピン

私が、「ユダヤ人大富豪の教え」(本田 健著 大和書房)の単行本に出会ったのは、
2006年の秋だった。
「このままでは、ダメだ。」という自分自身のニッチもサッチも行かない状況で、
宛もなく自分の置かれている境遇の出口を探している時期のことだった。

それまで、私は長くフリーの映像制作者の一人として、あるいはWeb制作を含めたマルチメディア制作物などの分野で、ささやかな仕事をしていた。

かなり自由な時間を持ち、またその立場を活かして何とかやって来た。
しかし自分の状況のその先にあるものは、誰かに指摘を受けるまでもなく、
はっきり見えていたし自覚もしていた。

自分の好きな業種の仕事の分野だったこともあり、
またフリーの状態にあまりに長くいて慣れすぎたことで、
ごく一般的な、ある一つのカタチに自分を収めることができずにいた。
できないとも思っていた。

私のかつての映像制作の同僚仲間で独立した知人たちも、
やはり大なり小なり同じような症候群に落ちっていたように思う。

年々、仕事は減り、生活費の補填のために
短時間のアルバイトやパートを行なわざるを得なくなっていた。
名は伏せるが、ある有名なデリバリー系の企業で、
私は、そこで倉庫要員として2年半ほど働いたときのことだ。

ある日の昼休みの食事休憩の時だ。
満席ならばでおよそ30人程度の職員を収容できるささやかな食事専用の部屋があった。
誰もいない時間帯に、食事時間を当てて、そこで一人、本を読むのが好きだった。

コーヒーの自動販売機の音が「ブーン」と私の後ろで機械音が鳴っている。
たまに職員の誰かがやってきて、自販機にコインを入れ、しばらくそこに居合わせるか、
そのまま立ち去っていく。

私は、いつものように、そこで粗末な食事を終えて、
一冊の本に目をやった。

食堂に入ったとき、すでに気づいていたが。
すぐ隣り向こうの縦長のテーブルの窓際近くに、
ポンと置かれた1冊の本が気になっていたのだ。

「何の本…だ?」
20代後半の年齢の近しい若い人たちの競争でなりたったシステム上で、
黙々?と働くここにいる人たちは、
どんな本を読むのかとちょっと思ったのだ。

本のタイトルを見たときに、私は、出来過ぎだと思った。
”まるで、わざとのように…”、この表現は、
ドストエフスキーの小説などの一文にはよくある表現だったように思うが…。
文字通り、私のために、私に気づいてもらうために置かれた本だと思った。

「ふむ…。」
その時は、その本に、一切、触れずに、そのまま午後の作業をした。

そのことは、すっかり忘れて、次の日も、食堂へ行くと、
やはり、その本は、そこにあった。

嘘だろ…?と、当然思った。

昨日の本が無造作に私のために置かれていたのだ。
私を挑発するために。

普通、忘れたものであれば、誰かが取りに来るだろうにと思いながら、
なぜ、今日も放置してあるのか、当然のように不思議に思った。

さらに翌日も、再び、やはり同じ本が。
やや場所を変えて、たとえば、テーブルを拭くときに、
ちょっと誰かが動かしたときのような感じで置かれてあった。

この時、私の気持ちに、ある変化が生じていた。
”私のためにあるのだ。”とはっきり確信した。
真面目に言うが、本気でそう感じた。

そして、大胆にその本をもって帰って、無断で1週間ほど借り切ってこの本を読んだ。
本の裏表紙のあたりに何かメモのような小さな紙が挟んであった。

意味不明だったので、そのままにしておいたが。多分、個人の所有の本だろう。
しかし、何も、問題ないと思った。何も、問題は起きないと思った。
なぜなら、もう一度言うが、私のためにある本だからだ。

なぜならというまでもない。
この本を読んだことで、
私は、斎藤一人さんの著作や「ザ・シークレット」を読むキッカケになった。
私の人生が、大きく変わっていったのだ。私自身の答えを求めるように。

そして、この本を読んだ後は、成功法則本を多数読むその後へと続く。

誇りを持って言う。

私は野心を抱いて、成功法則を実践し、学び続けている。

話を戻すが、
本は、読み終えて、またもとに戻すと、今度はなんと、
あっけなく、その本は、片付けられて、どこかに消えたのだ。
あんなに、無造作に置かれて、持ち主のいないような本だったものが…。

私が読み切り、もとの場所に戻すと途端に消えた。
2度と、その本は現れなかった。そこにはなかった。

”私のために現れた本なのだ。”というのは、間違いではなかったと思った瞬間である。



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