人が多く行き交い利用する公共の場や駅などのゴミ箱の傍で、偶に奇妙な仕草、
いやパフォーマンスをしている人を見かけることがある。普通なら、
良識を常に問われる成人男性でよく見かける。
それは、単に、ゴミを捨てている光景だ。奇妙だなというのは、
何か、ちょっとしたゴミをポンと捨ててたかと思うと、なぜか、急に、思い出したかのように、
着ている上着のポケットに手を突っ込んで、ここぞとばかり小さなゴミを取り出している。
裏返しにして、しきりにゴミを抜き出している。たった、それだけことなんだが…。
そのつまらないことをあえて問題にさせていただきたい。
で、それのどこが奇妙なことなのかと言われると思うが。
もちろん、ポケットを清潔にする。
そのこと自体は悪いことではない。むしろ当然のよい事だ。
しかし
私が、注意を向けて「え…?」と思うのは、
いままで、ポケットに細かいゴミが詰まっていても、
「あなたは、あまりそれを問題にしていなかったのでしょう?
特にあなたの生活に問題はなかったのでしょう。
なぜ、どうして、いまこの場でそれなの?」ということだ。
急にゴミ箱の前で、しかもどこかへ向かうそれなりの目的を中断して、
数分を費やしてまで、
そんなことをあわててする必要があるのかということだ。
こんなささいなことに注意を向けているのは、案外、大きな意味があるから、
あえて冒頭に取り上げてみた。
ジェフ・ケラー氏の「夢をかなえる人生のガイドブック」
(ジェフ・ケラー[著] 弓場隆[訳] =SoftBank)の
≪25 感謝の心でほしいものを引き寄せよ≫の項目に、次の記述がある。
「人生について考えてみよう。あなたは、うまくいっている9割でなく、
うまくいっていない1割に意識を向けすぎていないだろうかと?」
(前出「夢をかなえる人生のガイドブック」より引用)
という問いかけがある。
あなたは、この指摘が、かなり私たちの心の動きをよく言い当てていると思えないだろうか。
本当のところ、
よくよく見渡してみれば、私たちの人生は、案外、うまく言っているものだ。
たとえば、ささいな問題はあるだろうが。事実、それはどうでもいいほどの問題なのだが。
しかも健康で、毎日、食事もでき、誰かとの人間関係でちょっとした気に入らない面もあるかもしれないが。
それでも、それなりに良好で、
お金も毎月、月末まで充分だとはいえないとか、給料が安いとか。
仕事がおもしろくないとか。あげたら何からなにまで。
気に入らないことだらけになると思うが。
本当にそうだろうか。
そのいずれもが、深刻になるほど、困る人は、実はごくごく少ない。
生活のほとんどのことが、それなりにうまくいっている。何とかなっているものだ。
一部のちょっとした問題に、ただ不平、不満、愚痴を口にしているだけだ。
それがいま、私たちの人生のすべてであるかのように。
先ほどの、ポケットのゴミもそうだ。それがあったからといって、
数日、あるいは、もっと長期間、その汚い状態でいて。
ほんとは、気にもしていなかったのでは?
だとしても、だとしなくても、
特に、困ったことは起きていないはずだ。
にもかかわらず、私たちの傾向として一度、気になるとそこに、
必要以上に注意を向けてしまうようだ。
いまこのタイミングでなぜというような執拗さを滲ませて。
前述のジェフ氏の指摘は、明解だ。
「人生の中で気に入らない一割の部分」
(前出「夢をかなえる人生のガイドブック」より引用)
について、
「それに意識を向けると、心の姿勢がネガティブになって気分が滅入る。それに加えて、
『引き寄せの法則』という普遍の原理が働く。つまり、自分が日ごろ最も考えている
ものを引き寄せるということだ。人生の中で欠乏しているものに意識を向けると、
私たちはますます欠乏する経験をつくり出してしまうのである。」
(前出「夢をかなえる人生のガイドブック」より引用)
と、成功法則のもっとも重要な示唆をしている。
さらに、次のように述べている。
「あなたは、ネガティブな面に意識を向けすぎる癖がついていないだろうか?
もしそうなら、ポジティブな面にもっと意識を向け、
自分の恵まれていることに感謝をしよう。そうすることによって、
あなたはますます恩恵を受けることができる。」
(前出「夢をかなえる人生のガイドブック」より引用)
と。
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