夢見心地★明け方の星々のざわめき★23#4062

私が、バイブルのように大切している本がある。
「【振り子の法則】リアリティ・トランサーフィン」
(ヴァジム・ゼランド【著】 ほおじろえいいち【監修】須貝正浩【訳】徳間書店)だ。
その本の第1巻 冒頭p24ページに、
「明け方の星々のざわめきで目が覚めた。」という書き出しに
改めてワクワクする。

この短い文章には、実に深い意味の示唆が潜んでいる。
字義どおりの単純な記述などではないことを、
事前に申し伝えしておきたい。

「この明け方の星々のざわめき」の時間帯とは、
明け方の明星が輝きはじめる。
おそらく、午前3時過ぎぐらいから
4時半ぐらいの時間帯をさすものと思われる。

この本の信奉者である私は、
件の時間帯に目が覚めることを特別にありがたく思っている。
なぜなら「まるで、あの頃と同じだ!」と小躍りしたい気分になるからだ。

とは言え
あの頃の未明の”時間帯”とは、私にとって、決して愉快な時などではなかった。
むしろ、骨移植の手術後、思いがけず医者から、
「もしかしたら、死ぬこと…もある?」と
宣告されて、成り行き次第では覚悟も必要であることを、
突き付けられたあとの事だった。実感はないものの、考えがそこに及ぶと、
胸に鉛のようなものが、貼りついたような感じに襲われた。

あの頃の時間帯とは、
その頃に体験した眠れない日々の頃のことだった。
当時、私は、右足のくるぶし付近にある「舟状骨」という部分に
腫瘍の黒い影がレントゲンで確認された。

その判断と説明を医師から受けると、
逃げ道はなく、選択肢もなく。突き付けられた同意書にサインをして。
あれよというまに手術台に載せられた。25才のときだった。
その術後2週間ほどで、病院長から「7:3だな…」と、
どっちが、どっちとは、明言は避け。
さらに
「覚悟について」直々の話しを聞かされたという経緯がある。

あれから数十年間。
私は、医師らの予想に反して図々しく生き延び、
現在がある。
当然、成り行きの私は、健康でもあり続けた。
とはいえ、
「覚悟はせよ」との話のあった当初の5-7年間は、
ある意味死刑囚のような気分だった。
再発による死への恐怖心を常に抱きつつ若い時代を生きた。

今日、ありがたいことに、それでも両足は立派にある。
元気そうに颯爽と歩く私を見て、
かつて誰が、私のこれらの話しを真に受けただろうか。
誰もいない。
おそらく作り話か、誇張話だと思っているに違いない。

私は、その頃のことを、あまり多くを語らなかった。なぜなら、
誰も、私の抱えていた深刻な問題を信じないだろうと思っていたからだ。

「明け方の星々のざわめきで目が覚めた。」という時間帯は、
私にとって、暗い記憶と隣り合わせであったが。
この時間帯こそは、私を生き延ばしてくれた秘密を含んでいたことを、
後に気づかせてくれた。

冒頭に”この短い文章には、実に深い意味の示唆が潜んでいる。”
と書いた。私なりの気づきをお知らせしたい。

「明け方の星々のざわめき」とは、
眠りの底に沈んだ後、浮き沈みする意識が、潜在意識と対話する時間帯なのだ。

常に意識がしっかりとした目指すものを抱えている場合には、
ざわざわとする潜在意識の中から、
目指すものへの方向への到達をサポートする「何か」を手にすることができる。
しかし、意識が日頃より曖昧であると、
その雑多なものの考えの中の曖昧さの力関係で、進む方向が制限を受けることになるようだ。

私は暗闇の中、病院の大部屋で、
ふと目が覚めた瞬間に、
カーテンの閉められた窓が、一刻も早く白むのをひたすら待ち続けた。
腫瘍の再発による”死”を考えないようにしていた。
そして、
もっとも多くやっていたのが。
かつて私が住む品川の街をよく歩いていたときの
ワクワクする感じだけを楽しんでいた。街歩きが好きだった。
街から街、商店街から、商店街を歩く姿が、とても懐かしく。
何か満たされてはいなかったものの、街歩きする私は、
自由で、楽しいものだったのだなと暗闇の底で、
確信するように思い返していた。

これを
「明け方の星々のざわめき」の中で、つまり、
浮き沈みする意識が、潜在意識と対話する時間帯にやっていた。

いまはっきり言えるのは、その繰り返しが、私を生かしてくれたのだと思っている。

潜在意識が、私の意識の在りどころをすっかり見抜き、
飲み込んでくれたのだ。

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