前回、サヨナラパーティの事を書いたが。
実は、彼女もこの店で2度「サヨナラパーティ」を行っている。
その1度目のサヨナラパーティのことは、ほとんど覚えがない。
彼女が来た最初のシーズンのことが、ほとんど覚えていないのだ。
もちろん私が店に通い詰めて、彼女が売上げに貢献したことは、
自信を持っている。
「エー。どんな自信なんだよ」と、いま自分に突っ込みを入れた。
帰国する前に、店で何度か、彼女と話し合った。
またこの店で働けるように「シャチョウサン 二 オニガイシテミル」
ということで、彼女は決めていたし、二人の気持ちは一致していた。
「でも、そんなことできるの?」
「ワカンナイ ケド ダイジョーブ オモウ」
と、私に説明していた。
この店でなければ、大宮や横須賀、
あるいは他の地方にもなる可能性があるということだった。
それでも、繰り返し。
「シャチョウサン 二 オニガイシテミル」
と述べて、
それから、数カ月後に、事実、彼女は再びこの店に戻ってきた。
ある日の午後、
彼女から、私の家に電話が掛かってきて。
「キテ、キテ」コールをされて分かった。
この頃、まだ店は、そこそこ賑わっていた。
華やかなダンサーのステージと店の女性たちの紹介を兼ねたショータイムもあった。
間をつなぐように、
カラオケタイムも交互に行われていた。
彼女が来た最初のシーズンは、彼女を指名して、
数カ月で、一度、帰国した。
そのときに行った同伴デートが、お台場だったのだと思う。
そして、彼女が、1度目のサヨナラパーティをする間近の頃、
店が休業の日、やはり彼女の買い物に付き合った。
「ウエノ 二 イキタイ」と言う。
家族に、お土産を買っていきたいということだったので。
これも、
彼女たちの情報網で、
上野のアメヤ横丁が何でも安いということを知っていたのだ。